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東日本大震災で存在感をさらに増した清涼飲料業界

 3.11—日本人は,この日を忘れることはないだろう。多くの尊い人命が失われ,多くの生活が破壊され,人々は鎮魂と復興への誓いを新たにした。われわれ日本人は,この厳しい局面に直面し,それでも希望を失わずに明るい未来を築くべく,それぞれの立場で奮闘している。この国難にあって飲料産業は物心両面から社会生活を支え,飲料は重要な生活物資となっていることを再確認できた。飲料産業は社会からの要請に真摯に応え,そして社会に貢献する産業であり続けることが,日本の数ある産業界の中にあって求められていることを再認識したはずだ。社会から求められる産業界であり続けることこそ,飲料産業の目的といえるだろう。

大震災と製品数の削減

 3月11日に東日本を襲った大地震と,それに続いて発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故によって,飲料産業のサプライチェーンも少なからざる打撃を受けた。製品そのものだけではなく,PETボトル・ラベル・キャップ・缶蓋・缶胴・チルドカートンなどの容器や供給システム,製造のためのエネルギー供給システムが被災した。
 さらに,多くの自動倉庫が被災し,製造した製品が出荷できなくなったことも大きく影響した。加えて被災した東北地方への支援物資輸送,東京都心部における燃料の買い占め,突如行なわれた計画停電などにより,あらゆる社会システムが混乱をきたした。
 飲料産業では,この緊急事態に対応すべく,業界を挙げてミネラルウォーターや茶系飲料といった生活必需品とされる製品の供給を優先した。それ以外にも,基幹となるブランドやアイテムに生産を集中させることで型替えを最小限に抑えてラインの稼働率を向上させ,商品供給を維持することを最優先とした。また供給が不足すると予想されたミネラルウォーター類は,海外からの緊急輸入で供給継続を図ることも行なった。こうしたことにより,清涼飲料産業に対する消費者の信頼は,これまでになく高まったと考えてよいだろう。
 その一方で,通常の製品戦略が実施できなくなってしまい,例年のように思うような新製品の発売ができなかった。これは新製品の投入数に顕著に表われている。図1および表1・2は,月別に発売された2011年1~7月の新製品点数(SKU数)を2010年同期で比較したものだ。この点数表では,震災によって延期された製品は実際の発売月で集計し,また発売が中止された製品はカウントしていない。
 図1を見れば明らかなように,2011年は2010年に比較して4~7月の新製品数が減少していることがわかる。一方,3月は大震災が発生したものの,多くの新製品はそれ以前の発売か,あるいはすでに生産されていたことから発売されたもので,大震災直後の混乱にもかかわらず新製品数は前年を超えている。
 4~7月は,計画停電による生産効率の低下や,サプライチェーンが被災したことによる供給不安と市場の混乱から,新製品数が減少した。4月は46点,5月は31点,6月は49点,7月は24点の減少となっており,4~7月のSKU数を比較すると150点もの減少になっている。これこそ新製品発売計画が大きく狂ったことを如実に表わしていると言えるだろう。
 また発売点数をカテゴリー別に見れば,ほぼすべてのカテゴリーで減少したことがよくわかる(表1)。1~7月で比較すれば,紅茶飲料が約34%減,果実・野菜飲料が約34%減,炭酸飲料が約31%減と軒並み大幅減となっている。これらは嗜好性が強く,また寡占化が進んでいるカテゴリーでもある。
 このように減少した新製品投入だが,これは企業経営にとって逆風だったのだろうか,それとも追い風だったのだろうか。この震災では上記の生産対応による効率向上に加えて,4月中旬までの約1カ月程度続いた広告・販促自…続きは本誌をご覧ください。

2011年上半期(1/1〜7/31)月別 カテゴリー別 新発売品一覧

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特 別 寄 稿

マリンコラーゲンオリゴ」の食品・飲料への利用提案

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原料用濃縮果汁の保管温度の適正化による省エネ

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