本誌立ち読み
PETボトルの革新,そのための条件[前編]
飲料産業は,今年の東日本大震災によって消費生活における清涼飲料の価値を再認識し,その使命を再確認した。そして,清涼飲料業界がこの大震災の復旧のために果たしている役割は,決して小さいものではない。清涼飲料は生活基盤であり,生活の潤いであるという価値を高めていくことが求められよう。これを飲料容器で見れば,清涼飲料の中軸をなすPETボトルに,その使命が課せられた。PETボトルには,これまでとは異なる新たな革新が求められているのだ。
PET樹脂価格は上昇基調に
PET樹脂の価格は,再び値上がり基調にあるようだ。日本に輸入されるPET樹脂の価格推移を財務省統計をもとにグラフ化した(図1)。PET樹脂価格は2007年をピークに下落し続け,リーマンショックがあった2009年は105円程度/kgにまで下落した。しかし,2010年は119円と再び上昇し,2011年は8月までで146円/kgにまで回復している。今年は過去に類を見ない超円高傾向が続いているため,こうした樹脂価格の高騰が顕在化しにくい。それでも,原油価格も上昇基調が続いていることから考えると,PET樹脂価格がこのまま沈静化するとは考えにくいと言えるだろう。
PET樹脂の輸入量は,年々増加を続けており(表1),2006年は約46万トンであったものが,2010年は約67万トンへと増加している。2011年は8月までで約51.5万トンに達している。一方,国内需要はほぼ頭打ち状態と言ってよいだろう。ボトル用PET樹脂需要実績推移(表2)を見ると,国内のボトル向け樹脂需要は2008年,2010年に記録した60万トン超がピークである。PETボトルの軽量化が進むなか,重量ベースの拡大は難しいと考えられる。
軽量化の限界と突破口
容器包装全般がめざすべき課題の一つが3R(Reduce,Reuse,Recycle)である。PETボトルの場合は,Reuseはきわめて限定された条件下でなければ成立しないことが明らかになっていることから,ReduceとRecycleが追求されており,これは社会的要請でもある。
このうち清涼飲料メーカーが主体的に取り組んでいる課題がReduce,すなわち軽量化である。この軽量化は本誌№345(2010年№9)で報告したように,飲料業界ではそうとう進行したといえるだろう。加えて,今年は東日本大震災の影響もあって,一見,軽量化議論が消失したようにも見えるのだ。
この軽量化は,ミネラルウォーターでは一定の水準に達したと考えてよい。課題は炭酸飲料やミネラルウォーター以外の一般清涼飲料向けボトルの軽量化である。これらの場合は,軽量化を推し進めると容器の酸素バリア性や水蒸気バリア性といった,PET樹脂が…続きは本誌をご覧ください。
特集の主な内容 |
PET樹脂サプライヤーの最新動向 |
成形機メーカーの最新動向 |
容器サプライヤーの最新動向 |
その他の内容
Field Report:北陸CCBC社が導入した最新・無菌充填ラインと環境対応
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好 評 連 載 記 事 |
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ヤクルト本社
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ダイドードリンコ
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協同乳業
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サントリー
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エルビー
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カゴメ
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