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果汁の輸入完全自由化から20年,日本の果実飲料市場の行く末を占う

   「果汁」とは「果実を破砕して搾汁又は裏ごし等をし,皮,種子等を除去したものをいう」と日本農林規格では定義されている。すなわち,果汁は自然界からの恵みである。
 日本の果汁市場は第二次世界大戦後,段階的に果汁の輸入自由化が実施され,1992年のオレンジ果汁の輸入完全自由化を最後に,世界に対して完全に開かれたものとなった。それから20年が経過し,日本の果実飲料市場はどうなったのであろうか。そして順調に市場を拡大している野菜系飲料市場におけるトレンドとは何であろうか?
 本特集では,果実飲料や野菜系飲料市場の最新事情をはじめ,国内外のサプライヤー情報も取りまとめた。

果汁輸入完全自由化からの市場推移

 果実飲料および野菜系飲料の1992年から2011年までのカテゴリー別推移を表1に示した。これを見ると,果実飲料は2000年の223万5,000klをピークに急速に減少を続けており,2011年の生産量である156万6,100klは,2000年対比で3割減となっている。
 特に減少が激しいカテゴリーは,果汁分10〜50%未満のいわゆる“エード”と呼ばれるカテゴリーである。このカテゴリーは日本における果実飲料そのもの,言い換えれば日本の“ジュース”と言ってよい伝統的なカテゴリーである。コカ・コーラ「Hi−C」や「Qoo」,サントリー「なっちゃん」,アサヒ飲料「バヤリース」,サッポロ飲料「リボン」,森永乳業「サンキスト」といった多くの著名な老舗ブランドが軒を並べているだけではなく,中小のブランドを含め飲料メーカーであれば必ずラインアップするカテゴリーである。その一方で,後世に登場したニアウォーター,茶系飲料,スポーツドリンクなど新たなカテゴリーが登場するたびに市場を失っている。10〜50%未満の果汁入り飲料は…続きは本誌をご覧ください。

財務省貿易統計による果実・野菜ジュース輸入実績推移 2008〜2011年

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世界には様々な果実があるが,ブドウは実に多彩な品種を揃える果実である。しかもその果汁は,ワインとジュースの2つの代表的な用途がある。これは代表的な果実であるオレンジやリンゴ,グレープフルーツとは大きく異なる。それだけに,ブドウは様々な味や香り,色といった特徴を活かした商品開発の可能性がある果実である。そこでビバリッジ ジャパンは,欧州最大のブドウ果汁サプライヤーであるイタリア・サンガブリエーレ社を訪問し,そのビジネスをリポートする。

バルクワイナリーから欧州最大のサプライヤーへ

 サンガブリエーレ社は,1972年にイタリア・ベネチアで創業した家族経営のブドウ果汁サプライヤーだ。元来はバルクワインを製造するワイナリーとしてスタートしたが,1990年にブドウのNFC(ストレート)果汁と濃縮果汁の生産を開始した。そして,2000年には有機製品をラインアップに追加した。
 同社は毎年のように設備増強を行なっており,生産処理・供給能力の強化を図るとともに,新製品の開発を行なっている。現在の陣容は,敷地面積5万m2,従業員数は60名となっている。タンクファームは300本あり,容量にして73,000kl(73,000トン)を貯蔵できる。そのうちアセプティックタンク13,500kl,冷蔵タンク13,000klが設備されている。年間生産能力は,NFCブドウ果汁が10万kl,濃縮ブドウ果汁が5
万トン,バルクワインが…続きは本誌をご覧ください。

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好 評 連 載 記 事

NEW PRODUCTS 各社新製品ニュース

伊藤園

関西以西でチルド紙容器入り「充実野菜」「1日分の野菜」投入など

キリンビバレッジ

30代以上を狙ったコーラ飲料など

アサヒ飲料

「三ツ矢」ブランドのニアウォーター登場など

森永乳業

機能性を強化した乳飲料で新市場創出を狙う

コカ・コーラ

1.25Lの“スマートボトル”で新市場を作る

カルピス

朝向けウェルチ,大人向けカルピスなど

ヤクルト本社

「SHEs」「300V」をテコ入れ

エルビー

紙容器入りチルド9品とLL3品を発売

サントリー食品

“オリエンタル”な茶系飲料,止渇系エナジー飲料ほか

JT

ボトル缶「ルーツ」を刷新

カゴメ

シニア向け「野菜生活」ゼリー

日本サンガリア

夏に向けてジンジャーエールなど炭酸飲料を拡充

ダイドー

ライチ味,梅味などニアウォーターを強化

JR東日本WB

夏みかんのゼリー飲料

花王

「ヘルシア」ブレンド茶登場

大塚食品

「マッチ」に480ml缶投入

トーラク

バニラアイス味の豆乳飲料

ポッカ

春夏向け「アロマックス」を投入

不二家

カップ入り抹茶ミルキー

…詳細は本誌をご覧ください

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