本誌立ち読み

定期購読についてはこちら

紙容器の進化と将来

 紙容器は,数ある容器包装素材の中でも“最も環境に優しい”と一般に理解されている容器といえるだろう。紙容器は自然の恵みである森林から作られ,森林は再生可能な資源として認知されているからだ。
 また紙容器は,長年にわたり牛乳をはじめとする消費期限の短い商品で使用されてきたことからもわかるように,最も端的に鮮度感を表現できる容器として他の追随を許さない。また紙容器は,充填前のカートンブランクスやロール原紙,そして充填後は箱型形状となることから,他容器に優る効率的な輸送ができるといえるだろう。
 その一方で,紙容器には金属缶やガラスびんのような高い中身保護性能はなく,PETボトルのようにリシールして持ち運ぶためにはプラスチックの力を借りなければならない。また紙容器の印刷加工,充填包装システムも効率化を追求した結果,印刷や形状加工の自由度は他素材には及ばない。
 このように日本の紙容器は他素材容器とは異なる固有の価値が完成しており,そしてその価値を消費者やブランドオーナーとが共有している。それでもなお,紙容器には次世代へ進むための進化が求められていることも確かだ。

牛乳・清涼飲料の生産動向

 農水省の統計によれば,飲用牛乳等の生産量は,2011年度は365万9,182kl(前年比98.4%)となった(表1)。全体の生産量は急激に減少していると考えてよく,2002年度は443万271klであったものが,2011年度には365万9,182klへと減少しており,9年間で77万1,089kl,率にして17.4%の減少になっている。
 2011年度の飲用牛乳等生産量を区分別に見れば,牛乳生産量が308万5,641
kl(同101.2%)と統計区分を再編成した2004年度以後,初めて前年の生産量を超えた。その一方で,加工乳・成分調整牛乳は57万3,541kl(同85.7%)と大幅減になっており,比較的低価格を訴求してきた加工乳等から牛乳等への移行がみられる。
 紙容器入り清涼飲料の生産量をみると(表2),2011年は東日本大震災があったものの…続きは本誌をご覧ください。

本誌立ち読み

 機能性飲料を“なんらかの機能を有する飲料”と定義すれば,今日では炭酸飲料や果実飲料,野菜系飲料,さらには茶系飲料にいたるまで,あらゆるカテゴリーでなんらかの機能性を訴求する“総機能性飲料化”が進んでいるといえよう。そうしたなかで,1980年頃に誕生したスポーツ・機能性飲料は,その存在意義が改めて問われている。
 特に飲料市場が成熟市場となるなかで,持続的成長のためには新しいユーザーの獲得が必須であり,それはいつの時代でも若者をさす。飲料各社は特に若者層が獲得できていないといい,市場の先細りを危惧している。
 こうしたなか,エナジードリンクが飲料市場において新しい市場をつくる可能性が高くなっている。これは,この分野の草分けである「レッドブル」が若者層の獲得に成功しているからだ。さらに2012年は,この「レッドブル」を追いかけて大手飲料メーカーが市場参入している。
 一方で,特定保健用食品(トクホ)が再評価されつつある。これは,清涼飲料水の中で唯一,具体的な効果・効能を訴求できるのがトクホであるからだ。このトクホでは,今年に入って製品投入が相次いでおり,なかでもキリンビバレッジ「メッツ コーラ」が消費者の注目を集めている。
 本特別企画では,こうしたエナジードリンクやトクホ,スポーツ・機能性飲料市場の最新情報を取りまとめた。また,こうした飲料の新製品開発に役立つ機能性素材についても紹介する。

エナジードリンクの市場形成なるか

 エナジードリンクが好調だ。エナジードリンクは,欧米で流行し伸長している最新の飲料カテゴリーの一つだ。主たるユーザーは10代後半〜30代の若者層で,機能性だけではなく,カフェイン,アルギニンといった成分や炭酸から得られる“刺激”に加えて高いファッション性がブランド支持の背景にある。マーケッターによると,2011年の米国のエナジードリンク市場は前年比16%増の80億ドル(約6,400億円)に急成長したという。一方の日本のエナジードリンク市場は栄養ドリンク…続きは本誌をご覧ください。

寄稿

小川香料株式会社

ペパーミント,カモミール,ウィンターセイボリー抽出物の機能性飲料への利用提案

長岡香料株式会社

ユーカリポリフェノール「ユーカグランジン」を利用した機能性飲料の提案

太陽化学株式会社

Nutrition Delivery System(NDS)と飲料への応用
−飲料への機能性素材供給の新しい概念−

定期購読についてはこちら

Special Report:Anuga FoodTec 2012 世界トレンドは省エネと食品安全へと向かう

Field Report:株式会社ケイ・エフ・ジー 山陰から世界を狙うミネラルウォータービジネスの最前線

News from U.K. Special:InnoBev Global Beverages Congress

好 評 連 載 記 事

NEW PRODUCTS 各社新製品ニュース

コカ・コーラ

カロリーゼロのアクエリアス,ジョージア新提案第2弾

雪印メグミルク

チルド「なっちゃん」第2弾

ハウスウェルネスフーズ

女性向け“赤いC1000”など

アサヒ飲料

ミネラルウォーターを再構築,フォション新製品など

森永乳業

エクレア風味のカフェラテなど

キリンビバレッジ

「午後の紅茶」に欧風フレーバーを提案など

JT

沖縄コーラなど炭酸飲料2品と缶コーヒー3品

エルビー

屋根型紙容器入りチルド飲料発売

伊藤園

夏向け「タリーズ」を充実,カフェイン少なめのほうじ茶など

サントリー食品

夏向けはちみつレモン,進化した“甘くないPEPSI”など

ポッカ

女性向けにコーン茶登場

キッコーマン飲料

“ソイ”シリーズを拡充

ヤクルト本社

新ブランドで女性を狙う

明治

乳飲料規格の珈琲2品

サッポロ飲料

女性専用の梅味炭酸など

JR東日本WB

“午後”需要を狙った2品

カゴメ

カルシウム補給の野菜飲料

花王

春夏限定のヘルシア炭酸

ダイドー

収集家向け「復刻堂」3品

カルピス

ゼロカロリーの「カルピスウォーター」など

日本サンガリア

190g缶製品の増強,「氷晶」リニューアル

…詳細は本誌をご覧ください

NEW PRODUCTS〈清涼飲料・牛乳・乳製品〉
NEW PRODUCTS〈ビール・RTD/酒類〉
NEWS HIGHLIGHTS〈産業ニュース〉
BJ Market report〈毎月の市場概況〉
BJ DIGEST
People & Industry
バックナンバー案内
統計資料
INTERNATIONAL NEWS


お申込み・お問い合わせ


飲料総合専門誌 ビバリッジ ジャパン
株式会社ビバリッジ ジャパン社 販売部 
TEL 03-3989-8707 FAX 03-3989-8727
問い合わせフォームよりお問い合わせいただく場合は、こちらからお願いします。

2024年〜2023年のバックナンバー

2024年10月号 No.513LinkIcon
特集:宅配水とミネラルウォーター・フレーバーウォーター
特別企画:洗浄と潤滑の最新技術

2024年9月号 No.512LinkIcon
特集:2024年上半期清涼飲料市場報告

2024年8月号 No.511LinkIcon
特集:PETボトル2024
特別企画:2024年上期ビール系飲料市場

2024年7月号 No.510LinkIcon
特集:機能性飲料市場と機能性素材

2024年6月号 No.509LinkIcon
特集:紙容器2024
特別企画:飲料開発・製造におけるプロセス処理技術

2024年5月号 No.508LinkIcon
特集:フルーツ・野菜ジュース

2024年4月号 No.507LinkIcon
特集:ガラスびん2024/特別企画:飲料の新製品開発2024

2024年3月号 No.506LinkIcon
特集:2023年清涼飲料市場報告と2024年の戦略

2024年2月号 No.505LinkIcon
特別企画:ビール系飲料市場2024
特集:飲料製造のための最新技術・機器

2024年1月号 No.504LinkIcon
特集:飲料缶2023

2023年月12号 No.503LinkIcon
特集:PETボトル2023 2


以前のバックナンバーはこちら

Twitterでもつぶやいています。

定期購読のご案内