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16年ぶりに市場伸長 市場拡大にはずみをつけられるか?

  ガラスびんは,重量は他容器よりも重いが,内容液に影響されない強靱さをもっており,飲用後は代替容器として利用でき,また長期保存ができるという大きなメリットがある。
 大手ガラスびん製造工場では,今回の東北地方太平洋沖地震による甚大な被害はなかった。在庫製品で荷崩れなどがあったものの,ガラスびん業界は通常どおり生産を行なっている。しかし東京電力管内で発生している計画停電の影響は避けられず,生産効率が低下している。

ガラスびんの需要動向

 2010年のガラスびん生産量は,日本ガラスびん協会の調べによれば,121万3,006トン(前年比100.7%),本数では67億2,751万2千本(同102.1%)と前年を上回った。同協会では,2010年は1995年から続いてきた減少傾向に16年ぶりに歯止めが掛かった記念すべき年という。これは,猛暑による需要増に加えて,ウイスキーハイボールの継続したブーム,「食べるラー油」ブームによる新需要の創造,の3点が大きな理由と分析している。
▶主要なカテゴリーの出荷状況(表参照)を重量ベースで見てみると,「薬品・ドリンク」が22万766トン(前年比102.9%),「食料・調味料」が34万2,183トン(102.6%),「飲料」が25万9,892トン(102.0%)と軒並み伸びている。同協会によると,なかでも「食料びん」は「食べるラー油」が全国的なブームになったことから,重量で107.8%,本数で110.9%と大幅増になったという。
 ウイスキーびんは,ハイボール人気により重量で121.5%,本数で118.2%と大幅増になったという。しかしその反動で焼酎乙類市場が減少しており,これら洋酒と焼酎などの酒類を合算した「洋雑酒」では14万5,090トン(99.9%)となってしまい,このカテゴリーの底上げにはあまり貢献していないようだ。
 「飲料」カテゴリーの伸長は,地サイダーブームが背景にあるという。日本ガラスびん協会は全国清涼飲料工業会と共同して,2010年7〜8月にネット通販による「地サイダー特集」を行なった。その結果,同期間中の販売量が大きく伸びたことが寄与したという。
▶出荷重量を出荷本数で除した1本あたりの重量(平均単重)は,市場全体で180.3g(前年比98.6%)と軽量化された。各カテゴリーも重量の変化は少なく,ほぼ前年並みを維持している。「化粧品」が97.0%,「食料・調味料」「牛乳」とも98.3%と,いずれも軽量化が進んだ。しかしその他のカテゴリーは,軒並み前年並みとなっている。これは,大量に使うカテゴリーでは軽量化がおおむね完了したほか,ガラスびんの軽量化は他容器との差別化要素にはなりえないという判断が働いているものと推測される。特に洋酒や化粧品,一部の食料品などは,ガラスの質感や重量感がブランド価値に直結するだけに,むしろ軽量化は意味をなさないと考えられる。
▶2011年は,こうした2010年の勢いを受けて,さらに積極的にガラスびん製品の増加,需要増をめざして各社が精力的に営業活動を行なっている。しかしながら,今回の大震災により先行きはきわめて不透明だ。…続きは本誌をご覧ください。



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成長を続ける豆乳市場,新分野の開拓に期待

   豆乳市場が成長を続けている。農林水産省発表の「豆乳等生産量等調査」によると,2010年1〜12月の生産量は前年比106.1%の20万9,117klとなり,2009年に引き続き2年連続の大幅増となっている。
 日本の豆乳は,JAS規格により「豆乳」(大豆固形分8%以上),「調製豆乳」(6%以上),「豆乳飲料」(果汁入り製品が2%以上,その他製品が4%以上)に区分される。またオカラを含むことはできず,オカラ入りの“豆乳”は,大豆飲料などと称している。本特別企画では,それらを含み豆乳系飲料と総称する。
 健康志向が生活スタイルの根底に定着したなか,豆乳は牛乳代替の栄養食品として注目を集めている。そのほか清涼飲料でも健康素材として添加物的に使用する例もある。このように豆乳は豆乳系飲料だけにとどまらない広がりを見せており,新たな市場創造の可能性も見えてくる。そこでビバリッジ ジャパンは,豆乳系飲料の動向をリポートする。

豆乳市場と豆乳飲料の拡大

 2010年の豆乳等生産量を規格別に見ると,豆乳が3万483kl(前年比117.5%),調製豆乳が12万1,433kl(102.5%),豆乳飲料が5万4,277kl(108.5%)となっている(表1参照)。豆乳の市場規模は700億円と推定され,牛乳市場7,000億円の1割程度となっている。
 豆乳類の生産量は“イソフラボン”ブームが起こった2005年をピークに減少したが,2008年9月から回復に転じている(図1参照)。このうち豆乳や調製豆乳カテゴリーは,ユーザーの拡大をめざして地道な取り組みが行なわれている。
▶豆乳カテゴリーは,2010年に伸び率が最も高く,前年比117.5%となっている。豆乳を発売している企業などによって構成される豆乳協会によると,豆乳カテゴリーは“豆乳鍋”や豆乳を使用したデザートへの利用提案などで用途が拡大したほか,折からの健康・美容志向によって豆乳飲用者を増やしたとしている。
▶調製豆乳カテゴリーは,12万1,433klと最大の生産量であるが,伸び率は102.5%で最も低い。特に2009/2008年が123.6%と大幅に伸長したことに比較すれば,伸びはほとんど止まったと考えてよいほどだ。市場では,豆乳飲料カテゴリーに対する新製品の積極投入が行なわれていることから,今後は豆乳飲料が市場を牽引していくものと考えられる。
▶その豆乳飲料カテゴリーは,伸長率は豆乳よりも低いものの,構成比は順調に拡大しており,2010年には前年比+0.6ポイントの26%になっている。
 これは,キッコーマン飲料「紀文 豆乳飲料 プリン」「同 焼きいも」やマルサンアイ「ひとつ上の豆乳 豆乳飲料 白桃」「豆乳飲料 オレンジヨーグルト味」,トーラク(旧ソヤファーム)「おいしさスッキリ ショコラ豆乳飲料」といった新製品が積極的に投入され,トライアルやライトユーザーの獲得に成功したことが要因と考えられる。
 こうした各社の戦略は,豆乳ユーザーの特性が背景にある。キッコーマン飲料によれば,「紀文 豆乳飲料 麦芽コーヒー」のユーザーはそれのみを飲用し,「紀文 調製豆乳」を買うことはないという。同様に「調製豆乳」ユーザーは,それだけを飲用するというのだ。このことから豆乳ユーザーは,同一製品やカテゴリー内を回遊していると考えられる。
 そこで各社はこの点に着目し,カテゴリーを超えた消費拡大を狙うのでは…続きは本誌をご覧ください。



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Field Report :富士山仙水株式会社

News from U.K. 急成長するロシアの飲料ブランドに聞く

リサイクル 世界で進むPETボトルのBtoBリサイクル

NEW PRODUCTS:今月の各社新発売品

NEWS HIGHLIGHT:今月の産業ニュース

東日本大震災による飲料産業への影響と今後

好 評 連 載 記 事

NEW PRODUCTS 各社新製品ニュース

アサヒ飲料

若年層の獲得を強化し「バヤリース」を全世代ブランドへ

キッコーマン飲料

チルドカップ入りなど豆乳製品を拡充

キリン・トロピカーナ

100%ジュースで冷凍飲用を新提案

コカ・コーラ

「い・ろ・は・す」増量・採水地拡大,「紅茶花伝」強化など

伊藤園

各カテゴリーの製品ラインアップを強化

日本たばこ産業

ルーツ,米の飲料,桃の天然水など14品発売

オハヨー乳業

2011年の春期新製品・リニューアル品22品発売

ダイドードリンコ

紅茶,コーヒー,ガラスびん入り炭酸などバラエティー商品を発売

森永乳業

サンキスト100%ジュースに2品追加,カロリー志向製品を続々投入

ハウス食品

「飲むフルーチェ イチゴ味」など新製品2品発売

サントリー

バニラの香りのカフェモカ

カルピス

桃味のカップ入り乳性飲料

明治乳業

ドリンクヨーグルト拡充など春の新製品・リニューアル品35品

エルビー

LL紙容器製品を強化し市場拡大を図る

カゴメ

透明野菜・果実100%と超濃縮で新奇性を狙う

サッポロ飲料

100周年を迎え「Ribbon」をリニューアル

ネスレ日本

コーヒーで“キレイ”を訴求

ポッカ

美容系果汁飲料と2倍希釈用無糖コーヒー

日本サンガリア

安売り市場向けに低果汁飲料など投入

UCC上島珈琲

ボトルコーヒーを「職人の珈琲」ブランドに刷新

日本ミルクコミュニティ

キウイ果汁入りゼリー飲料

…詳細は本誌をご覧ください

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