本誌立ち読み
紙容器の使命とマルチパックの進化
この3月に発生した東日本大震災は,飲料・乳業界にその価値の再認識と,今後のあり方を提示した。すなわち現代社会において,飲料/乳業は生活物資として市民生活に密着した食品であることを再認識させた。
一方で,生活物資化するということは,製品そのものの個性や特性といったものよりも,安定価格・安定供給が優先されることを意味する。それだけに乳業界も飲料業界も,ともにライフラインとしての安定供給と嗜好品としての差別化を両立させなければならないといえる。これは,ブランドを通した消費者との対話によって消費者から信頼を獲得することが,生活物資にとっても重要といえるからだ。
2010年の牛乳類/
紙容器入り飲料の生産状況
2010年度(2010年4月〜2011年3月)の飲用牛乳等の生産量は371万6,419kl(前年比98.3%)となっており,下げ止まる様子は全く見られない(表1参照)。うち「加工乳・成分調整牛乳」は業務用が2倍に増加した反面,成分調整牛乳は2009年度の前年比171.9%から一転,同94.0%の42万5,758klと大きく落ち込んだ。しかし,加工乳・成分調整牛乳全体ではほぼ前年並みとなり,2009年度に前年比145.4%と大幅増となった生産量は維持されたと言えるだろう。
乳飲料は同102.6%(121万2,696kl)と伸長している。これは,2010年の猛暑や機能性乳飲料の拡大による恩恵と考えられる。発酵乳はヨーグルトへの注目が集まっていることから,102.2%(83万6,912kl)と成長した。
一方,紙容器入り清涼飲料の生産量(1〜12月)は,2010年は210万4,140kl,前年比104.0%となっている(表2参照)。これは,野菜系飲料,豆乳,紅茶飲料,希釈用乳性飲料の成長が要因となっている。
紙容器入り希釈用乳性飲料は,前年比117.5%の11万9,379kl(飲用時容量)となっている。2010年は景気低迷のなか,家庭で水で希釈して飲用するスタイルが経済性を理由に支持されたと考…続きは本誌をご覧ください。
本誌立ち読み
チリは,その特異な地勢に恵まれて豊富な農産物が栽培・出荷されていることは,前号のリポートで報告した。そのチリを代表する果実加工品がワインである。チリ産ワインは,低価格・高品質であることから世界的に評価が高まってきている。だからチリは,ブドウ果汁でも世界有数の産地であるのだ。本稿では,チリでブドウを中心に果汁を供給しているJDM社をリポートする。
チリ産ブドウの歴史と代表的な栽培地域
チリは,山からの陸風と海からの海風が常時吹いており,きわめてユニークな気候をつくり出している。チリのブドウ栽培は,16世紀にスペインからの入植によるワイン作りに始まり,19世紀に入りフランス系のブドウ品種が移植され発展してきた。以下に代表的なブドウの栽培エリアを北方から記載する。
▶Limari地区は,首都であるサンティアゴから北へ約400㎞のところにある最北端の栽培地域で,年間降雨量は94㎜,栽培面積は1,744haである。土壌はミネラル分が豊富で,ここで作られたワインは塩味が感じられる。代表的な栽培品種はシャルドネ……続きは本誌をご覧ください。
その他の目次
Special Report 紙容器とマルチパック
米国における紙とサスティナビリティ
Mini Report
乳業系4社の平成23年3月期決算
News from U.K. Special InnoBev Global Beverages Summit
好 評 連 載 記 事 |
NEW PRODUCTS 各社新製品ニュース
アサヒ飲料
“コーヒー”ではない「ワンダ」提案,「ウィルキンソン」など炭酸飲料を強化
大塚食品
びん入り「ジャワティ」を拡充しブランド浮揚を狙う
ネスレ日本
珈琲生豆の茶飲料でポリフェノール普及に挑戦
サントリー
“甘くない”コーラ投入で新ジャンル創出を狙う
伊藤園
糖度や京野菜で野菜系飲料を差別化など
丸源飲料工業
原点回帰のサイダーで地域活性化とブランド化をめざす
森永乳業
カップ入り「ダブルエスプレッソ」シリーズ一新
ヤクルト本社
30周年を機に「タフマン」を全面刷新
UCC上島珈琲
甘すぎない微糖コーヒー
コカ・コーラ
「ジョージア ヨーロピアン」に無糖ブラック投入
キリンビバレッジ
「大人のキリンレモン」と紙容器入り「午後の紅茶」を刷新
エルビー
パイン味のニアウォーター
協同乳業
Gパイン果汁入り乳飲料
サッポロ飲料
クーリングフレーバー使用の冷凍みかん風飲料など
ハウスウェルネスフーズ
刺激を訴求する「C1000」が新登場
日本サンガリア
茶系飲料にニッチアイテムなど投入
…詳細は本誌をご覧ください
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